長期優良住宅とは

長期優良住宅は100年住宅とも呼ばれます。劣化対策等級でも、住宅にとって重要な構造躯体の耐用年数は30年/60年/90年と3種類あります。注文住宅を建てる際には価格だけでなく誰が何歳までその家に住むのかという観点も必要です。

従来の作っては壊すというスクラップ＆ビルド型の社会から、いいものを作ってきちんと手入れをして長く大切に使うというストック型の社会への転換を目指し、国土交通省が主導で2009年に長期優良住宅に関する法律が施工されました。以降、行政官庁による長期優良住宅の認定は100万棟を超え、現在では新築戸建の約4棟に1棟が長期優良住宅の認定を受けています。

工務店やハウスメーカーに注文住宅の建築を依頼する際にも、その家に何年住むのかという視点が必要です。例えば、30歳で30年の耐久性を持つ注文住宅を建てた場合、高齢化が進む中で60歳以降の住まいをどうするのか、将来子供に安心して住める家を資産として残してあげたいかなどを考えてみると良いでしょう。

 【劣化対策等級3】

長期優良住宅の基準の一つに「劣化対策等級3」があります。構造躯体が大規模な改修工事無しにどれだけもつかを示すもので1～3の等級に分かれます。等級1は通常想定される自然及び維持管理の条件の下で構造躯体が1世代(25～30年)もつ対策が取られていることを示し、現在新築を建築する際に建築基準法で義務付けられている基準です。等級2は2世代(50～60年)、等級3は3世代(75～90年)もつ家で最高等級になります。

【維持管理対策等級3】

 劣化対策と似た長期優良住宅の基準に「維持管理対策等級3」があります。維持管理対策の程度により1～3の等級に分かれ、何の対策も取られていない家が等級1に当たります。等級2は配管をコンクリートに埋め込まないなど維持管理の基本的な対策が取られていることを示します。等級3は掃除口・点検口が設置されているなど維持管理を容易にする対策が取られていることを示し、最高等級になります。

【耐震等級2以上】

長期優良住宅では耐震性能に関する基準もあり「耐震等級2以上」が求められます。現在、新築住宅には建築基準法により阪神淡路大震災相当の地震がきても倒壊しない耐震性能が義務付けられています。耐震性能上ではそれが等級1に当たり、阪神淡路大震災相当の地震の1.25倍の揺れに対抗できる耐震性能が等級2、1.5倍の揺れに対抗できる耐震性能が等級3とされており最高等級になります。詳しくは「地震に強い家作り」をご参照。

【断熱等性能等級4】

長期優良住宅では断熱性能に関する基準もあり「断熱等性能等級4」が求められます。現在、断熱性に全く配慮をせずとも違法には当たらず、断熱効果の薄い単板ガラスを使用したり断熱材を一切使用していなかったり何の対策も取られていない家が等級1になります。等級2が1980年制定の旧省エネ基準に相当、等級3が1992年制定の新省エネ基準に相当、等級4が1999年制定の次世代省エネ基準(川西市はUA値0.87以下)になります。詳しくは「ZEH：高断熱で健康に」をご参照。

【その他の戸建基準】

・住居面積：床面積75㎡以上/1階が階段部分を除き40㎡以上

・居住環境：地区・景観計画と調和が取れている

・維持管理計画：10年後及び以降5年ごとに点検を実施する計画が立てられている

2022年10月より以下の通り長期優良住宅の基準が大きく引き上げられました。

これにより、長期優良住宅と一般住宅の性能の差が大きくなったと言えます。

【変更】耐震等級：２→３

【変更】断熱等性能等級：４(UA値0.87以下)→５(UA値0.6以下)＝ZEH基準

【新設】一次エネエネルギー消費量等級：６＝ZEH基準

【税制優遇/金利優遇】

国が推進する長期優良住宅を工務店やハウスメーカーで建てると、住宅ローン・投資型減税や固定資産税・登記費用などの面で税制優遇が受けられます。他にも固定金利型住宅ローン(フラット35)では金利面で最優遇が受けられお得です。詳しくは「税制優遇/金利優遇」をご参照。 

【資産価値】

かつて住宅の資産価値は引き渡しから徐々に減っていき20年後にゼロになるものとされてきました。しかし、国がストック型社会への転換を目指す中で、住宅の点検・メンテナンスを行い履歴を残す度に資産価値が一定程度戻るという形で評価されるようになってきました。長期優良住宅の資産価値を高く評価する査定方法も公表されているため、将来売却することになった際も有利になります。

更に、長期優良住宅の普及を目指す国が先導して「かせるストック(移住・住みかえ支援適合住宅)」「リバースモーゲージ」「アシューマブルローン」など長期優良住宅であることで資産形成が有利に行える制度の整備が進んでいます。長期優良住宅は本当の意味で資産になる家と言えるでしょう。

出典：https://www.homes.co.jp/iezukuri/maker/hyogo/kawanishi-city/theme-56/list/

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一般社団法人移住・住みかえ支援機構(JTI)に登録している工務店やハウスメーカーで長期優良住宅を建築すると、かせるストック(移住・住みかえ支援適合住宅)制度が利用可能です。

注文住宅を建築した何年か後に引っ越すことになった際には、一般的に自宅を売却するか賃貸に出すか選択します。かせるストック制度を利用すると借り手がいなくても国から毎月家賃が入ってくるため、万が一の際にも自宅を資産として活用することができます。また、リストラや減給で住宅ローン返済が困難になった際の備えにもなります。

【対応可能な注文住宅会社(全国実績トップ10)】

リバースモーゲージとは住宅を担保に金融機関から借り入れが出来る制度です。生存中の返済がほぼ不要で通常の借り入れよりも自由に使えるお金が多くなる事から、年金不安がある中で老後資金として人気の金融商品です。土地を保有していることが条件になりますが、長期優良住宅は性能が非常に高いことから担保としても高く評価されるようです。

具体的な仕組みとしては、通常の借り入れは毎月決められた額を返済していきますが、リバースモーゲージは金利の支払いのみで元金は借りた人が亡くなった後に一括返済することになります。住宅を売却しての返済が主ですが、多くの金融機関は配偶者への引き継ぎを認めています。また、返済に生命保険を充当する人もいるようです。

【兵庫県で利用可能なリバースモーゲージ】

長期優良住宅であれば固定金利型住宅ローンであるフラット35に「金利引継特約」を付けることで、住宅を売却する際に返済中のフラット35を買主に引き継ぐことが出来る仕組みです。住宅ローン控除は引き継げませんが、金利(フラット35Sの優遇金利も含む)・返済期間・団体信用生命保険の条件を引き継げます。

現在は超低金利時代と言われており、この低い金利をそのまま未来の購入者に引き継ぐことができるのは住宅の売りやすさという点で付加価値になります。日本銀行の予定通りに物価が上昇し、金利も上昇していくと想定すると買主にとって非常に魅力的であると言えます。

【対応可能な金融機関】

日本住宅ローン、三井住友海上火災保険、ジェイ・モーゲージ、日本モーゲージサービス、ハウス・デポ・パートナーズ、クレディセゾン、旭化成ホームズファイナンシャル、トヨタファイナンス、一条住宅ローン、ミサワフィナンシャルサービス、神戸信用金庫、尼崎信用金庫、但馬信用金庫、富山銀行、伊予銀行、大東銀行、愛媛銀行、一関信用金庫、城北信用金庫、鳥取信用金庫、広島信用金庫、九州びぜん信用金庫、茨城県信用組合、君津信用組合、北海道労働金庫

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